みやざきスギ横架材スパン表

スパン表作成の目的

 2000年の建築基準法の改正は、性能規定化とともに、住宅におけるシックハウス対策など、建築物に使用する建材や換気設備を規制する法律が施行された。このようなことから、一般消費者や住宅業界でも、自然素材利用の高まりが急速に進展し、木材利用に注目が集まってきている。
また、地球温暖化対策として、二酸化炭素を削減するために木質資源を循環していくことの必要性の認識が高まっており、地域材をその地域で循環させながら消費する、地産地消の動きも全国で見られるようになってきた。
このような中、地域材を活かした信頼性の高い地域木造住宅を提供していくためには、宮崎スギの物性を十分に把握し、積極的に利用していくことが重要であり、特に横架材等への利用については、宮崎県スギの新しい利用方法として、今後大いに期待できる分野である。そこで、今回のスパン表は宮崎県産スギを安心して利用してもらうために、標準的な地域型住宅を想定し、そこに使われる県産スギ横架材の信頼性の向上と、宮崎県産スギの利用促進のために構造計算を基に作成したものである。

 このスパン表は住宅性能表示制度における「構造の安定に関すること」の性能チェックのうち、「横架材のチェック」を簡易に行うことも目標としており、住宅性能表示制度の普及啓発をも念頭においている。


適用範囲

 このスパン表の対象は階数が2以下、延べ床面積がが500㎡以下の地域材を利用した戸建て木造軸組構法住宅であり、対象部位は宮崎県産スギを使用した太梁、小梁の横架材である。垂木や母屋等の横架材については対象にしていない。また、横架材の欠点等で力が適正に伝達できない場合等は、対象外となる。

  1. 対象となる基準
    1. 建築基準法の基準に適合 建築基準法の一般的な基準に基づくものである。
  2. 対象となる木材
    1. 対象となる木材は、宮崎県産のスギ材とする
      宮崎県産スギ材とは、宮崎県内で生産、製材されたスギ材を指すものとする。
  3. 対象となるスギ材
    1. E-50、E-70の2種類とする。
  4. 対象となる区域
    1. 宮崎県産スギ材が多雪区域内で使用される可能性もあるが、まれなケースだと考えられるので、本書では多雪区域内の建物の場合は対象としていない。(多雪区域外でも降雪量の多い地域があるので、状況に応じては積雪荷重を考慮することも必要である)
  5. 対象となる横架材
    1. 2階床の小梁・太梁、屋根太梁、桁とする。
    2. 根太・たるき・母屋・棟木については、(財)日本住宅・木材技術センター発行の「横架材及び基礎のスパン表」による。

本スパン表の意義と特徴

 木造軸組構法住宅の構造部材は、本来、個々の部材に作用する設計荷重に対して、使用する構造材の強度に基づく構造計算によって、必要断面が決められなければならないが、過去においては大工さんの経験からのカンに頼っていた面かおる。それは住宅自体がシンプルで小規模であり、かつ同一形態にパターン化された住宅が主流であったからである。
しかし、最近では住宅の多様化、高度化に伴い様々な形態の住宅が出現し、居室空間の機能的かつ有効的な利用が求められている。構造についても長スパンに対応するために鉄骨や集成材を用いるなど混構造が存在し、本来の純木造の構成が失われかけている。
そこで、木造の構造設計の行える技術者の少ない現状において、中小の住宅生産者が効率よく安全な木造軸組構法住宅を設計できるよう大梁や小梁に対して、一般的な最近の木造軸組構法住宅に適用される構造設計条件を設定し、それに基づく構造計算結果をスパン表として整理し、安全な断面寸法を表示した。構造設計条件に適合する範囲内のこの数値の使用で、構造計算が省略できる。

(特徴)

  • 高齢者対応住宅に適用できる、1000mmモジュール(基本寸法)に対応させている。
  • 使用材の品質は、E-50(ヤング係数4904N/m2)、E-70(ヤング係数6865N/mm2)以上の材とする。
  • 穴あけ等による断面欠損は考慮している。

使用するに当たっての留意点

  • 本スパン表は、記載された条件(樹種及び等級、部材の種類、荷重の組み合わせ、部材 の位置による荷重のかかり方等)から外れた場合には、原則として適用できない。ただし、設計荷重が本スパン表より小さい場合、あるいは基準強度の高い部材を使用した場合など、本スパン表より安全側であることが確認できる場合には、適用が可能である。
  • 本スパン表は、建築基準法で定められた許容応力度計算によって導かれたものであり、 実際に建てられる家のたわみ等の性能が十分満足のいく程度となることを必ずしも保証するものではない。
  • 木造軸組住宅の横架材の安全確認については、設計者の判断によるところが多いが、このスパン表もある仮定により作成しているため、個々の住宅で計算される必要があることに留意する。また、スパン表の梁せいは必要最小断面を表している。
  • 横架材の横座屈の発生を押さえるため、対象材には、少なくとも交差する部材(回転を止めるべき拘束)が取り付けられていることを前提としている。
  • このスパン表を適用する材は、ひびのある材若しくはひびの発生の恐れのある材は使用しないことを前提としている。
  • このスパン表を使う場合は、仮定荷重や構造計算の意味合いを十分理解した者が責任を持ち、運用することを前提としている。
  • 仕口については、めりこみ等に十分配慮すること。

目次

  1. スパン表作成の目的
  2. 適用範囲
  3. 本スパン表の意義と特徴
  4. 使用するに当たっての留意点
  5. スパン表の設計条件
      5.1固定荷重
      5.2積載荷重
      5.3部材断面
      5.4荷重形式
      5.5部材の応力度計算
      5.6部材のたわみの計算
      5.7木材の許容応力度
  6. スギのスパン表
  7. 参考(表1JAS構造用製材の規格寸法及び区分一覧表、表2建築部材として利用される構造用製材一覧表)
  8. 宮崎スギ・スパン表作成委員名簿

宮崎スギ・スパン表作成委員名簿

平成15年度                       

宮崎スギ・スパン表作成委員名簿

宮崎県林務部木材振興課課長 高松 和弘
宮崎県木材利用技術センター構法開発部部長 飯村 豊
宮崎県土木部建築住宅課課長 松井 賢一郎
(財)宮崎県建築住宅センター常務理事 坂口 正紀
(社)宮崎県建築士事務所協会会長 村社 和弘
宮崎県木材協同組合連合会副会長 谷 巌

ワーキング委員名簿

宮崎県林務部木材振興課課長補佐 飯干 利廣
宮崎県木材利用技術センター構法開発部副部長 齊藤 豊
宮崎県土木部建築住宅課主幹兼係長 伊地知 義友
(財)宮崎県建築住宅センター主幹兼係長 戸高 厚志
(社)宮崎県建築士事務所協会副会長 松本 芳信
宮崎県県産材流通促進機構幹事長 谷 巌
宮崎県県産材流通促進機構事務局長 築地 俊樹

平成16年                       

宮崎スギ・スパン表作成委員名簿

宮崎県環境森林部山村・木材振興課課長 高松 和弘
宮崎県木材利用技術センター構法開発部部長 飯村 豊
宮崎県土木部建築住宅課課長 河野 強
(財)宮崎県建築住宅センター常務理事 米良 唯彦
(社)宮崎県建築設計事務所協会会長 松本 芳信
宮崎県木材協同組合連合会副会長 谷 巌

ワーキング委員名簿

宮崎県環境森林部山村・木材振興課課長補佐 飯干 利廣
宮崎県木材利用技術センター構法開発部副部長 齊藤 豊
宮崎県土木部建築住宅課主幹兼係長 伊地知 義友
(財)宮崎県建築住宅センター係長 川崎 茂樹
(株)松本設計社長 松本 芳信
都城木材株式会社社長 五十嵐 可久
持永木材株式会社社長 持永宏一
ランバー宮崎協同組合専務 川上 泉
ランバー宮崎協同組合室長 持永 直樹
宮崎県県産材流通促進機構幹事長 谷 巌


入手方法

FAXにお届け先を明記し、宮崎県木材協同組合連合会へ送付して下さい。
請求書と一緒に郵送いたします。
代金は1冊1,000円(税別)で、送料が別途必要です。


お問い合わせ先

販売について

宮崎県木材協同組合連合会
〒880-0805 宮崎県宮崎市橘通東1-11-1 林業会館1階
TEL.0985-24-3400 FAX.0985-27-3590

内容について

宮崎県木材利用技術センター TEL.0986-46-6041


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